マッチングを迎えて-10個の後悔-
こんにちは。
マッチングもようやく折り返し地点です。
今回はいざマッチングを迎えて後悔していることを書いていきたいと思います。
箇条書きにしてみるとこんな感じです。
・もっといろいろな病院に見学に行けばよかった
・早めにいろいろ回って目星をつけ、そこには2、3〜回行っておけばよかった
・見学した、お世話になった先生のお名前、印象などをメモしておけばよかった
(特に見学回数を考慮しているか)
・自分の中でしっかりしたどこででも聞くことリストをつくっておけばよかった
・もっと計画的に勉強しておけばよかった
・面接で言うことをもう少ししっかり考えていけばよかった
・他学部の友人にチェックしてもらえばよかった
・CBTでもっと取っておけばよかった
・偏差値の高い/首都圏の大学に行っておけばよかった
ではそれぞれ説明していきます。
1️⃣もっといろいろな病院に見学に行けばよかった
これは人それぞれかなと思います。
僕は初めて見学にいったのは5年生の夏休みでした。
それ以降、長期休暇の度に1〜3件ほど見学にいってました。
なので合計8〜10病院の見学に行きました。
分厚いレジナビブックで給与体制や診療科の有無などは確認していきましたが、
案外レジナビブックに載っていない病院はたくさんあることを直前に知りました。
そしてそういった掲載されていない病院を調べてみると、あれ、けっこう良さそうでは?と思うところもありました。
レジナビブックはかなり分厚いので、きっとこれだけ読んでいれば少なくとも首都圏は把握だろうと思っていましたが
意外にも他にもレジナビブックに載っていない情報がたくさん載っているのもありました。
ただそれぞれが網羅している範囲が微妙に異なるだけで、得られる情報はそこまで差はないような気もします。
参考までにレジナビブック以外の病院探しツールも載せておきたいと思います。
・レジナビ(https://www.residentnavi.com/hospital/search/early)
ブックではなくウェブサイトです。
レジナビブックに載っていない病院もしっかり載っています。
ちなみにレジナビブックは、レジナビでアカウント登録か何かをしたら1,2ヶ月後くらいに郵送されてきます(無料です)。
・MEC(https://www.icrip.jp/hospital-search/)
メックにもこういうのあったんですね。
・m3(https://www.m3.com/?fromSp=1)
有名な医療者のための情報会社みたいなものみたいです。
会員登録が必要なので少し面倒です。
あと実際に働いていた人のかなりリアルな口コミが見られるのが特徴だと思いますが、
残念ながら5,6年以上前のものが多いため参考程度に見ることにしています。
・eレジ(https://www.e-resident.jp/hospital/juniorlist)
一応ある、というくらいです。全国で312病院しか載っていないので正直あまりおススメしません。
・マッチング協議会(https://www.jrmp.jp/data.htm)
網羅度では誰がなんと言おうと最強のサイトですねw
マッチングに登録している病院は都道府県別に全て掲載されています(たぶん)。
ただマッチングの結果のみの掲載なので詳しい研修内容は別サイト参照です。
ここでは2つの結果が載せてあり
中間結果(募集人数と、第1希望で出した人数)
最終結果(募集人数と、最終的にマッチした人数)
を見ることができます。
つまり、「○○病院の○○プログラムを希望先に登録した全人数」はわかりません。
まぁそれはレジナビブックなりウェブサイトなりで見ることができるので問題ないかなと思います。
ずばり第一志望の倍率が一目見てわかるかたちで一覧になっているので、
情報サイトに載っていない穴場を探すのに向いているかなと思います。
2️⃣早めにいろいろ回って目星をつけ、そこには2、3〜回行っておけばよかった
これは見学の回数が合否に関わるかに関係なく思います。
僕は結局2回以上いった病院はありませんでしたが、
さすがに第1,2志望でいく病院は2回以上行っておくと相手に覚えてもらっているはず、
という自信?や、
勉強と面接以外にもやれることはやった、という自分の安心材料になったのかなと思います。
そんなこと?と思われるかもしれませんが、実際にマッチングを迎えるとアンマッチがとても怖くなります。
そこそこメンヘラっぽくなるときもあるので
安心材料になることは少しでもやっておくべきだったかなと思います。
5〜10回ほど見学にいけば人事の方も断りづらくなるだろうし、という意見も聞いたことがあります。
まぁそれだけ行けば確かに…?笑
3️⃣見学した、お世話になった先生のお名前、印象などをメモしておけばよかった
病院見学のお礼メールなどに先生の名前を入れて送っておくなどしておけばよかったなと思いました。
というのも、マッチングの面接で話のネタとして見学のときの印象などを話す際、先生の名前まで行ったほうがなんだか印象が良さそうだからです(笑)
それと、病院によっては見学回数を考慮し、なかには「受ける場合は2回以上来てください」という病院もありますよね。
そう明言してくださると助かりますが、そうではないところもあります。
僕が見学した病院の一つで、院長が変わって「今年から見学回数を数え始めるようになったらしいよ」と研修医の先生から教わったことがあります。
運良く向こうから教えていただいたものの、そこが第一志望にも関わらず知らなかったらと思うと怖いですよね。
なので見学に行ったら必ず見学回数の重要度を聞いておき、メモしておくことをお勧めします。
僕自身A4の紙1枚分の志望動機や志望科を履歴書で指定している病院を受けましたが、
これだけ書いておきながら見学回数が2回以上じゃなければ絶対受からないとかだったらどうしようと不安になりました。
その際はたまたま見学回数考慮していないというメモが残っていたため助かりましたが、
いろいろな病院に行くとどこがどうだったかを忘れるものです。
4️⃣自分の中でしっかりした”どこででも聞くことリスト”をつくっておけばよかった
はじめての病院見学はとても緊張しましたが、4つ目あたりからは何も感じなくなりました。
もはや普通の実習みたいなものでしょ、くらいです。
当時の僕は病院見学は「マッチングに向けて顔を見せておくためのもの、あとは雰囲気を感じるくらい」としか考えていなかったので
研修医の先生から「なにか質問ある?」と言われても正直なところ早く帰りたいなぁくらいしか考えておらず、
特にないですと答えているのが多かったです。
よっぽどのハイパーにいかない限り、成長できるかを決める最大の因子は自分の意識
と考えているのが大きいと思いますが
あまり研修環境に興味がなかったのです。
ところが6年生になり5年生以前よりも将来についてしっかり考えてみると、
初期研修の時点で後期研修以降のルートを決めるときの有利不利があるんじゃないか、と思い始めました。
どこの大学の先生が多いのか、卒後の進路の傾向、診療科の強さ(一応あるだけでまだ実績がない、など)など、そういったことは現場で働いている方にしか聞けないものもあると思うので、ちゃんとそこらへんも聞いておくべきでした。
それでも一応どこの病院に行っても聞いたことはありました。
それは「この病院の研修医の先生たちに共通するキャラクターやカラーはありますか?」です。
それで研修医の先生方から「元気な人が多い」や「真面目な人が多い」、「体育会系の人ばっかりだよ」
といった明確な返事がいただけた場合、面接官の方が欲している研修医の理想像が見えてくるのではと考えたからです。
実際にこの質問は志望先の参考にもなったのでおススメです。
他には研修医の先生と二人になったときに「先生はなぜこの病院を選んだのですか」と聞いてみると
「この病院は○○科が有名だから」、「ほかの病院と比べて○○がよかったから」、(「横浜に住んでみたかったから」)
といった感じで意外な発見や自分の面接の志望動機のネタにもなりそうなことが得られたりします。
5️⃣もっと計画的に勉強しておけばよかった
僕の体験談をお話しします。
僕が受けた病院の傾向はこんな感じでした。
①内科・外科(どちらも平均は国試レベル超え)
②内科・マイナー・公衆衛生(国試半分オリジナル半分)
③内科・公衆衛生(全問国試の過去問そのまま)
④内科・外科・小児・産婦(ほぼ全部オリジナル。国試レベル超え)
⑤臨床推論寄りの全分野の記述(全問オリジナル)
見ての通りバラバラな病院チョイスですね。
正直まぁ国試はそんなに難しくないしいけるだろうと思ってほとんど調べていませんでしたが、
ここまで出題範囲が異なっていると苦労します(笑)
また、出題分野のほかに「国試の過去問の割合」、「出題年度の傾向」も大事でした。
国試の過去問が出題される場合はほとんど変更されず、選択肢の順番までそのまま出ることが多いです。
一般的には最新3年分の過去問が大事だと言われますが、
僕が受けたなかでは「5年以上前のものからしか出ないし、マイナーチェンジもない(オリジナルは0問)」というところもありました。
しかも正答率が95%といったような問題は出題されず、20〜85%くらいのものしか出ない、といった感じでした。
そうなるとどうなるか
それなりに真面目に映像講座などで勉強してきた人よりも
とりあえず該当する年度の過去問を解き、理解していなくてもとりあえず答えを覚えている人が勝つ
ということになります。
もちろん過去問を覚えている方も理解した上で覚えている方が大半だとは思いますが、
そうではない人よりも評価が低くなるのは悲しいですよね。
ただの言い訳ですが、自分は”過去3年分から半分ほど出題される病院”の3日後に
”5年以上前のものからしか出ないところ”を受け、撃沈しましたw
平均正答率65%ほどの問題のセットで答えを知っている人たちに勝てるわけありません😣
後者の病院は最新のものはあまり出ないらしい、とは聞いていましたが
正答率の低いものが選別され、しかも過去問しか出ないとは知りませんでした。
また、ここには書けませんが自分でその問題を再現してみると
過去問の選別方法に、出題年度と正答率以外にも基準があることに簡単に気づきました。
これに気づいてさえいれば、と涙が出そうなほど後悔しましたが、後の祭りです。
ここで僕が言いたいのは自分の悔しさ・言い訳もありますが(笑)、
こんなかたちで失敗するのはめっちゃくちゃ萎えるので、
受ける病院の筆記試験は必ずちゃんと分析しましょうということです。
なんとかして数年分の過去問を手に入れればすぐによく出る分野くらいはわかります。
そこは完璧にして、あとは国試の過去問ならばよく出る年度などをしっかり把握してください。
また過去問でなくても、正答率の低い過去問を解いてその周辺を勉強していれば解けたな、というオリジナル問題も多くありました。
語り出すと止まらなさそうなのでこれくらいにしておきます。
7️⃣面接で言うことをもう少ししっかり考えて練習していけばよかった
これはしっかりと対策した人にとっては関係のない話ですが、僕は正直そんなに考えていませんでした。
というのも、ハローマッチングでみた感じだと自分が受ける病院は志望動機であるとか、志望している診療科であるとか、そういったことしか聞かれていなかったからです。
それなら思っていることをそのまま話せばいいや、と考えていたのですが、
いくつか不意打ちのようにいわゆる”面接で聞かれそうなこと”を聞かれました。
えっ、ここ数年間の質問にはこんなのなかったのに…
と動揺しました。
たとえば日本の医師の偏在をなくすには?、医学部の地域枠には賛成か、自分の大学のいいところ・悪いところ、実習で感じた医師の1日は、などです。
それくらいその場でなんとかできるでしょ?と思われると思いますが、
採用面接という「対等」とはかけ離れた関係の会話なので、ヘタなことはいえないという緊張があり、思考も鈍ります笑
紙などにまとめておいて心の中で音読でもいいですが、実際に声に出して喋っておいた方がいいです。
普通はめんどくさいのでやりませんが、やってみると本番でも案外スラスラ話せるそうです。
また、ハローマッチングには面接の雰囲気は和やかと書いてあることが多いですが、実際はそうでもないこともありました。
圧迫というわけではありませんが、面接官の方がほとんど笑顔を見せずに終始真顔、くらいはありました。
もちろん、面接の最初に「ではこれから面接を始めますが、リラックスして、緊張せずにお答えください😉」と言われたこともありました。
そういった場合は非常にリラックスして話すことができるので楽です。
コミュニケーション力といいますか、愛嬌を見ている可能性もあるので
なるべく緊張して表情が固まりすぎないように笑顔?も時折挟みましたが、
こちらが笑顔で話しているのを真顔で聞かれているのは正直キツいものがありました。
また、面接官が5人などの面接では、僕の話聞いてますか?と聞きたくなるくらいこっちに一瞥もくれずに腕を組んで、難しそうな顔で俯いている方もいました。
その時点で心が折れそうになるので、そんな場面でもスラスラ言えるように練習はしておくべきでした笑
正直そんな態度だと面接を受けたこちらからの病院の印象が悪くなりますし
実際に面接の雰囲気でここは行きたくないなと思ってしまったところもありました。
まぁ僕らは選ばれる側ですからね…😓
ちなみに、僕の友人がいうには、とある集団面接の場面で面接官のうちの一人の方から
”得点を加えるというより、自分が見ているのは見た目です。見た目の身だしなみなどの清潔感や愛嬌で、減点方式で採点しています”
と言われたそうです。
つまり喋り出す前から採点は始まっているということですね…(医学部は就活ないとか言ったの誰だよ…)。
見た目なんて、そんなの美男美女か面接官の好みの人が有利じゃんって感じですが、まぁ世の中そういうものですよね…笑
服装や髪型、髭なども変なことになってないか、当日はしっかりとチェックすることをお勧めします。
8️⃣他学部の友人にチェックしてもらえばよかった
これは僕でない人からの意見ですが、たしかにこれは思いました。
大学の同級生は高校の同級生に履歴書を見てもらい「全然だめ」と言われてかなり書き直すことになったと言っていました。
たしかに我々医学部生は就活とは縁遠い生活を送っていたので、
マナーなどには無知ですよね(そんなことない方はすみません)。
封筒のしっかりした書き方や封筒の色、返信用封筒の書き方など
恥ずかしながらマッチングを通して学ぶことは多かったです。
また面接にしても、受け答えのマナーのようなものを教えてもらったという人もいるそうです。
また面接は履歴書を受理した順番に行う病院が多いので受けると決めているならば受付を開始したと同時に出せば楽だと思います。
筆記試験→面接という順番ならば早く帰ることができるし
面接→筆記試験という順番ならばさっさと面接を終えて待ち時間に筆記試験に集中できます。
僕は面接→筆記試験の病院に締め切り2日前くらいに出し、
筆記試験45分前くらいに面接を終えたのですが
もっと早く出せばよかったと思いました。
9️⃣CBTでもっと取っておけばよかった
これまた僕ではないのですが、こんな意見もありました。
たしかに、CBTの成績表の写しを要求してくる病院は意外と多いです。
自分は5病院受けましたが、3つは成績表を送ることになりました。
受けてはいない病院ではCBT成績表は合否に関わりませんと明記しているところもありましたが
じゃあ逆になんのために見るんだって突っ込みたくなりますね笑
僕は自己紹介に書いている通り87.5%で、良くも悪くもない感じですが
60%台後半の同級生複数人は首都圏の病院で「CBT悪いけど国試は大丈夫なの?」といったことを聞かれたそうです。
マッチしたものの国試に落ちた人が出たというのは病院としてもイメージダウンなのでしょうか。
CBTの成績が国試の合格率に直結する、みたいなことはよく聞きますが
そんな2年近く前のことを掘り下げられても、って感じですよね。
僕自身はCBTについては1回も触れられなかったのですが、
CBTの成績を見ているならば90%を超えていれば好印象だったのかなという後悔もあります。
CBTの時期にはマッチングで見る病院もあるらしいと聞いてはいたものの、
まぁどうせそんな大した意味はないだろうとけっこう適当に終わってしまいました。
が、やはり、綺麗に書かなきゃ、と神経をすり減らしながら履歴書を書き、
クソ暑いなかスーツにネクタイ、ジャケットを着て夏休みの1日を犠牲にしているのだから
少しでも良くしておけば良かったという心理はありました。
なのでCBTはまぁ受かりさえすればいいや、という方も、
少なくとも首都圏の病院に行きたいと考えているのであれば70%台後半は取っておくことをお勧めします。
🔟偏差値の高い/首都圏の大学に行っておけばよかった
これは首都圏の病院を希望しているからかもしれませんが…。
もはや既に医学部生の方は読む意味がありませんが笑、
自分がアポさえ取れれば希望の病院で実習を行う際も引越しなども不要で
病院見学も遥かに楽ですよね。ちなみに僕は
「自分の希望を出せば関連病院以外の病院に実習でいけるんですか?募集している病院もありますけど」
と学務に問い合わせたところ
そんなこと聞いたことない
って感じで門前払いでした。
また首都圏にいるだけで入ってくる病院の情報量もはるかに多いはずなので病院選びもスムーズにいくと思います。
当然関連病院は首都圏に多く、入りやすいのは間違いないでしょう。
またある私立大学病院に見学にいった際に「国立なら留年してなければ受かるよ」と言われた同級生もいました。
“医者の実力に大学なんて関係ない”というのは勉強会などで話していてそう思いますし、
これまでは気にしていなかったのですが
就活に関してはどこの大学に属しているかはかなり大きな点だと思います。
僕は私立に行くお金もなく、滑り止めなしに1度のチャンスで東京・神奈川・千葉の国立を受験する度胸も頭もありませんでしたが
もし万が一、医学部受験に燃えた受験生の方が見ているのであれば、
少しでも偏差値の高い、もしくは首都圏の大学に行けるなら行くことを強く強く勧めます。
こんな感じでしょうか。
思ったことを徒然なるままに書いていったのであまり有益ではなかったかもしれませんが、
意外とマッチングのことについて生の声が書いてあるのは少ないと思ったので書かせていただきました。
今後マッチングを控えている5年生の以下の方々の参考になれば幸いです。
それでは