USMLE受験生の日記

研修医2年目(114回勢)です。ただのブログに終わらず、有用な情報を発信できたらと思っています。USMLE、臨床推論、国試、その他日常について書いていきたいと思います。よろしくお願いします。

医学書レビュー〜6・7冊目〜

こんにちは。

ただいまマッチング真っ只中です。

本当はQBをひたすら解き、苦手なところを必死にメモする日々を送るべきだとは思うのですが

自分の短所を克服すべく、このクソ忙しい時期にもレビューを書きたいと思います(ドMですかね)。

その短所というのは、大事なことがあるとその1つのことにしか集中できず、他のことが疎かになってしまうというものです。

CBTやUSMLE、そして今回のマッチングなど

そういったイベントの際に多少は手を取られるのは致し方ないと思いますが

僕の場合、食事が外食ばかりになったり、部屋が散らかったりと

物理的・経済的にかなり荒れるのが良くない点だと感じていました(精神的にはあまり荒れません笑)。

そんなわけで、これまでUSMLEが終わったらしようと考えていたことが

いまとなっては”マッチングが終わったら”に変わっており

このままではマッチングが終わったら”卒業試験が終わったら”に変わるだろうし

卒業試験が終わったら”臨床推論グランプリが終わったら”になるであろうということで

いま延期していることのみならず、こういう癖があるのはまずいと考えました。

 

社会人になったらそんなことも言っていられないので、

今後は忙しくてもブログなり運動なり掃除にも時間を割き

気持ちの切り替えを意識していこうと思います。

かなり自分語りが長くなってしまいましたが

今回もレビューを書きたいと思います。

 

 

というわけで今回ご紹介させていただくのは心電図についてです。

今回は2冊です。

心電図、わけわからず気持ち悪いので興味が湧くと誰もが少し勉強してみようかな、と思われると思います。

病みえだとかなりあっさりしているし、だからといって本屋に行ってみても心電図の本ってめちゃくちゃ多いですよね。

僕も迷い、今回ご紹介する本の他に図書館で借りて3,4冊をパラパラと導入だけ読んでみたりしましたが

結局どれも言っていることは変わらない(そりゃそうかもしれませんがw)ので

差を付けるとしたら網羅度・わかりやすさかなと考えました。

淡々と「右脚ブロックはQRS幅が0.12秒以上のもので〜」

と書かれているだけの本が大半ですよね。

いや、もっと易しい導入を!とも思ったので、今回の2冊目がそれにぴったりでした。

ではご紹介します。

 

 

心電図の読み方 パーフェクトマニュアル

ボリューム

★★★☆☆

密度

★★☆☆☆

レベル

★★★☆☆

2006/2/23 発売

366ページ

 

うおっ、いきなりこれかよ、と思われた方も多いと思います笑

循環器に限らずさまざまな科の病棟や医局で見かけますね。

見た目はゴツいのですが意外とページ数はそこまでではないのがポイントですね。

名前の通り、数ある心電図の本の中でも網羅度はすごいと思います。

その網羅度ゆえ、どちらかというと辞書向きな気もしますが

1ページあたりの密度は低いので読もうと思えば通読できます

 

辞書向きといった理由は網羅度のみではありません。

もう一つの理由として

チャプターが心電図の特徴ごとに分かれているのです。

「PQが長い、短い」、「予定より早くPやQRSが入る」などといった感じで分かれています。

そして特徴に該当する疾患・病態のそれぞれの12誘導心電図が見開き2ページで載せてあり、

心電図に直接書き込みで解説もある、というスタイルです。

なので実際に心電図を読み解く際にPQが長いなぁ、と思ったらそのチャプターを調べる、という風に使えます。

一応チャプター毎に最後に練習問題が数問あり、解説もしっかりとされています。

 

あくまで読み物 or 辞書として向いているもので、

「この心電図は何を疑う?」

といった推論的な展開ではないです。

 

僕は昨年の臨床推論グランプリに備えて心電図をきっちり勉強しようと思い、この本に手をつけました。

無事通読を終えたのですが、さすがにいきなりこの本で心電図の勉強を始めたわけではありません。

その前に予備知識用として僕が読んでいた本をご紹介します。

僕も含めて平均的な学生レベルで心電図を初めからちゃんと勉強しようとなると、

さすがにパーフェクトマニュアルからのスタートは挫折に終わる可能性が高いと思います。

というわけで、まず初めに読むならばこちらをオススメします。

 

レジデントのための これだけ心電図

ボリューム

★☆☆☆☆

密度

★★☆☆☆

レベル

★★☆☆☆

2018/1/26 発売

240ページ

 

こちらは本当に、本当に読みやすかったです。

読みやすいというのは、文章表現が平易だからです。

3冊目でご紹介させていただいた「レジデントのための胸部画像教室」と同じような読みやすさです。

名前は似ていますが著者が異なるので別物、なのでしょうか。

また、物理的にも軽いので持ち運びも気楽にできます。

 

扱っている疾患などのレベルはまさに「病気がみえる」と同じくらい

それぞれをより易しい表現でわかりやすく噛み砕いたような本です。

なので病みえで十分理解できるという方にとっては不要で、いきなりパーフェクトマニュアルでも良いかもしれません。

また、数日で読み終えてしまい、そのままパーフェクトマニュアルに移行した場合、

この本レベルのことは忘れないとも思うので、大学図書館などで借りてパッと読んでしまうのも有りだと思います。

僕は購入したもののほとんど読み直した記憶がないです。

 

 

僕はこの本を5日ほどでサッと読み、パーフェクトマニュアルを3週間ほどかけて読みました。

たぶんこれだけに集中すれば「これだけ心電図」は2,3日で読めると思います。

ただ、どちらも「左脚ブロック→こんな所見」といった流れなので、

実際の臨床的な流れで心電図を読み、あれこれ考えるといった訓練には向いていません

ただ、当たり前ですがそういった勉強は基礎的な知識・目があるのが前提での勉強なので

その基礎を身につけるというのにうってつけなのです。

 

ちなみに、パーフェクトマニュアルまで読んだ暁には、国試の心電図の所見問題は死ぬほど簡単に感じます

正答率70%前後のものも簡単すぎて裏があるのかと疑うほどになります(笑)

僕も心電図特講期間からだいぶ経って細かいことは忘れてしまいましたが、

それでも国試の「心電図からとれる所見は」といった問題は答えが光って見えます。

 

まぁ、国試で1問出るかどうかの心電図一本勝負問題に1冊以上も本を読むという方はそんなにいらっしゃらないのかもしれませんが

心電図の勉強は卒後のリターンのでかい自己投資だと思っているので

この2冊は強くおススメしたいです。

国試勉強1ヶ月半の浅い経験では国試の心電図で正答率60%以下のものは見たことがないのですが

まぁそのレベルが出題されても大丈夫なのではないでしょうか。

 

 

ちなみに僕は心電図検定は受けていません。

たしか年に1回しかなく、存在自体を知ったのが昨年の夏頃でした(笑)

さすがにこの時期に心電図に集中するわけにもいかず、受検はしませんでしたが

研修医1年目、2年目に3級か2級を受けてみようかなと考えております。

その際はブログにも書いていきたいと思います。

 

実は臨床推論グランプリに向けてもう2冊心電図の本を読んだのですが、それはまた後日ご紹介したいと思います。

マッチングのど真ん中期間ですが、終わるまでにまた2、3冊紹介できたらと思います。

それでは。